真の出会い
お見合いの意味を現在のように大勢の中からあらゆる条件に合う、たった一人を慎重に選び出す行為と考えた場合、その決定の為にそれぞれの項目を念入りに調査し比較すると言う現象が発生します。そうすると一方的な視点からのみ相手を表面的に判断することでピックアップが始まると言えます。本来お見合い写真と言う物は、「こんな方がおられますが、一度会ってみられますか」と言う単なる相手への意思表示に過ぎなかったものが、まさか今から始まる重箱つつき合戦のきっかけになるとはかつての時代からは創造もつかなかったのではないでしょうか。人間同士が知り合い結婚へと発展して行く過程でその存在を愛しみ、お互いを尊重しあうようになるところが、会う前の段階で相当なハードルをクリアしなければならず、もはやそれは人間同士の巡りあいからは程遠く、まるで企業が新システムの導入にメーカー各社を各項目別に比較検討するようでさえあり、大きく方向性を逸脱している感が拭えません。いかなる人間関係に於いても、時間を費やさずして成立するものはなく、それぞれが誠実に相対する姿勢の下でしかお互いを表現する事は不可能と言えます。非常に重要な人生に於ける選択の場でコミュニケーション無しに、少なくとも写真だけで人格を決定付ける様な判断基準は、何の意味もないと言わざるを得ません。人をガラス越しに観察するのではなく自分を深く理解してもらう為に当然、相手への理解も深め努力を持って向き合う事。それがお見合い写真から発展する真の出会いと言えるのではないでしょうか。

